英語の習得に、なぜ多読がいいのか

多読で英語嫌いから英語好きに

元英語落ちこぼれ、英語偏差値30だった私が、英語を使う仕事に就き、今は英語が大好き。
趣味は洋書を読むこと。

ここまでたどり着くまでに、英会話教室へ行ったり、通信教育で勉強したり、英語の学習本を使って独学したこともあります。
でも一番良かったのが「多読」。実際に多読で英語を苦手から得意に変えた私が過去を振り返り、多読の何が良かったのか、多読が良い理由について詳しく説明します。

多読が良い3つの理由

1.大量のインプット
2.手軽さ
3.英語感覚が磨かれる

1.大量のインプット

なぜ多読がいいか、その一つ目の理由は『目から大量に英語をインプットできる』ことです。
英語に限らず、語学の習得に必要なのは、大量のインプット。インプットとは、読んだり聞いたりすることですね。
なぜ大量のインプットがいいのか。私たちが母国語を習得した過程を考えてみましょう。

言葉を理解したり、発したり、読み書きできるようになるまでに、どれだけたくさんの言葉に触れたことでしょう。
文法を学んだりする前に、すでに母国語を聞いて理解したり、話したり、読んだりできていました。
生まれた時から、たくさんの言葉をお父さんやお母さん、周りの人々から聞いていました。

英語も同じように、たくさん聞くことから始めよう。これは最近、よく耳にする英語学習法です。
私はその方法は悪くはないと思います。でも、私たちは赤ちゃんではなく、もうすでに日本語を知っています。文字が読めます。
私たちは、毎日大量の文字を読んでいます。

ご存知でしょうか?
実は耳からよりも目から入ってくる情報のほうが圧倒的に多く、情報の80%を目から得ているそうです。
そのうちの多くは文字ではなく、画像などの情報が多いでしょう。そうであったとしても、言葉を獲得した大人たちは、目から情報をインプットすることに慣れています。そこで私は、外国語を「聞く」ことよりも、むしろ「読む」ことのほうが自然で受け入れやすい傾向があるのではないかと考えました。

多読は、学校で触れる英語量とは比べ物にならないほど大量な情報を、目からインプットできます。
目からのインプット(多読)に慣れてから、耳からのインプット(多聴)を始めるのが私のおすすめです。
多読が面白くなったら、音声を聴きたくなってくるものです。「聴きたい!」という気持ちが高まってから、多聴をスタートするととても楽しいし、効果的ですよ。

ところで大量に英語を読むと何が良いと思いますか?
英語に慣れるのはもちろんのことですが、大量に読むうちに読むスピードも上がってきます。理解のスピードも上がります。
英語を理解するスピードが速くなるのはなぜかというと、頭の中で英語から日本語への変換がされなくなるからです。
日本語に訳さなくても、英語を文頭から読んだ順番で理解ができるようになります。それと同時に知らない単語があっても、気にせず飛ばして読んでも文全体から容易にその意味を推測できるようになっています。
これは実は私たちが母国語である日本語を読むのと同じ要領です。いつの間にか、英語を読んでいるという意識すらなくなるくらいに自然に読めてしまいます。

2.手軽さ

なぜ多読がいいか、二つ目の理由は、手軽に始められることです。
「多聴」ではなく、「多読」から始めることをおすすめする理由もまた、手軽に始められるからです。
多聴となると、聞くための道具が必要です。いつでも聞けるように、持ち歩けるコンパクトな道具とリスニング素材が必要です。多読は本さえあれば、いつでもどこでも、すぐに始められます。何かを始めるのに、「手軽さ」はとても大切です。

私はメカに弱いのですが、たとえば以前、リスニングのためにipod nanoを使っていた時期がありました。使い方がわかって慣れてくればよいのですが、そこにいたるまでにリスニングの素材をipodに入れることや、操作方法などを覚えなくてはならず、もしかするとその時点で嫌気がさしてしまうかもしれません。

何か新しいことを始めるとき、はじめが肝心です。面倒なことが初めにあると、簡単にめげてしまいます。だからできれば新しいことを始めるのなら、気軽に気楽に簡単にスタートできるに越したことはありません。

3.英語感覚が磨かれる

なぜ多読がいいか、三つ目の理由は、自然な英語表現を身につけることができることです。
洋書には、イギリスやアメリカなどの日常を描いた物語がたくさんあります。洋書絵本も、赤ちゃんや幼児が自然に覚えていくようなことに出会います。

たとえば英語学習者必須の読み物とされる聖書やマザーグースなどがたくさん出てくるのです。言語は単に何かを伝えるための便利な記号ではなく、習慣や文化が根源にありますよね。表現方法にしても、日本語と英語では違います。よくよく見ると、物の見方や考え方の違いによることがわかります。それらのことをひっくるめて、言語感覚といわれていると思います。

英語感覚を磨くためには、洋書絵本から児童書などをたくさん読むがとても良いのです。
洋書には、英語の学習・英会話テキストは絶対に学べないことがたくさんあります。それらが「英語感覚」を磨いてくれるのだと思います。

多読で推測力を高める

重箱の隅をつつくより、全体像をざっとつかむ

英語の読み方にしても、少しずつ英語を読んで、知らない単語を調べ、文章の構造を理解し、日本語訳を完璧につけるというやり方よりも、大量に英文をざーっと読み、おおまかに理解する訓練をしたほうが英語に慣れるのが圧倒的に速いです。

まずは全体像をつかむ力がないと、英語環境の中で大量の英語を受け止めることはできません。
その力を養わなければ途中で疲れてしまって、そのうちにもう英語を見たり聞いたりするのが嫌になってしまうかもしれません。

推測力が大量の英語を処理する力となる

英語学習で全神経を集中して行うようなリスニングをしてると、長続きしません。そんな英語の聞き方しかできないなら、英語漬けの生活はとてもじゃないけれど、気力も体力ももちませんね。

多読や多聴は、大量のインプットをしつつ、大量の英語に触れても疲れない体力・脳力をつけてくれます。
なぜ多読や多聴は、このような力をつけてくれるのでしょうか?

日本語と同じ事を英語でもする 絶対できる!

それは、一言一句を逃さずに取り入れて理解するというよりも、ある程度わからない部分があっても、無意識にその空白部分を予測してある程度の内容が理解できるようになるからだと考えています。日本語で私たちがしていることと同じです。

こんな経験はありませんか?
日本語だと多少うるさい環境の中でも、相手の言っている内容がわかるのに、英語だとわかりにくい。英語だとクリアに聞こえなければ理解できない。
これは日本語でも似たことがあります。たとえば自分の使っている方言だと、周りが多少うるさくても聞き取れるのに、違う方言だと聞き取りにくい。
または、家族や親しい友人と話すときは、周りが多少うるさくても聞き取れるのに、それほど親しくお付き合いのない人と話すときは、聞き取りにくい。

聞きなれている会話に対しては、推測がよく働くために一部聞こえにくくても、無意識の推測で補っているのではないでしょうか。
英語も同じで、慣れれば少しぐらい聞こえにくくても、知らないフレーズがあってもある程度推測ができるようになります。

多読がリスニング力を高める

そして最後に、とても大事なことを伝えます。
多読をしていると、リスニング力もアップします。その理由は下記リンクで公開しています。

英語のリスニングが上達する方法

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