紙の洋書とKindle洋書の利点と欠点

洋書で英語を読む(多読の)手段として、紙とKindleがありますが、どちらがどんな利点と欠点を持っているかについて、実際に両方を使っている者として、整理したいと思います。

洋書(英語)の多読・紙の洋書の利点と欠点

洋書(英語)の多読をするときに、手段として紙の洋書を選ぶ人はまだ多いと思います。そこで特にKindle洋書と比較して感じた紙の本の利点と欠点について、私が実際に経験して思ったことを書くことにします。

紙の洋書の利点

  • 読んでハズレがない洋書を選びやすい
  • 高評価の洋書は、Kindleよりも中古が安い
  • やっぱり読むときの違和感がなくていい

評価の高い洋書、例えばコルデコット賞やニューベリー賞など、読んでハズレがない洋書を選びやすいと思います。中には電子書籍化されているタイトルもありますが、中古の紙の洋書の方が安いことが多々あります。

Kindleなどの電子書籍だとページをめくる感覚が違うことなど、今まで慣れ親しんできた「読む」事に対する違和感がないと感じて、紙の洋書を好む人は多いと思います。

紙の洋書の欠点

  • 読みたいときにすぐに読めない
  • 洋書を保管する場所が必要
  • 読んだり保管している間に本が傷む

書店に行って買わなくてはならないし、通販で買うにしても、手元に届くまでに少し待たなくてはいけません。安く買いたいと思って、海外発送の洋書を買うと手元に届くまでに1か月近くかかることがあります。読みたい本が品切れになっているときもあります。

紙の洋書の場合、たくさん読めば読むだけ洋書を保管する場所が必要になります。大きな本棚が洋書でぎっしりになっていることに幸せを感じるなら良いのですが、多くの人は読み終わった洋書や積読(つんどく:買ってから読んでいない本)になっている洋書の置き場所に困るのではないかと思います。

読みたい洋書が品切れになっていることもあります。また、紙だと時間と共に色褪せたり傷んだりします。何度も繰り返し読んだりカバンに入れて持ち歩いたりすると傷みがひどくなりますが、保管しているだけでも紙は色褪せてきます。

洋書(英語)の多読・Kindleの利点と欠点

洋書(英語)の多読の手段としてKindle洋書を選ぶ人は、まだそれほど多くないようです。紙の洋書派からKindle洋書派への移行は、抵抗があるかもしれません。しかしKindleは紙の本にないような使い勝手があるので、良いところをうまく利用していけば、多読の効率がアップすること間違いなしです。

紙の洋書もKindle洋書も利用している私が感じる、紙にはないKindleの利点、欠点を整理してお伝えしたいと思います。

Kindleの利点

  • しおりや読書灯が不要で手軽に読める
  • 字が大きくできるので読書眼鏡が要らない
  • 購入から手に入るまでが一瞬なので、読みたいときにすぐ読める
  • 辞書機能が便利
  • 無料のKindle洋書がたくさんあるので経済的

まずはいつでもどこでもパッと開けば読めるし、やめる時もパタンと閉じるだけの手軽さです。紙の本のようにしおりを挟んで置かなくてもよいので、その分煩わしさが減ります。また、暗い場所でも読書灯は不要です。

老眼に大助かりなのは、文字を拡大できることです。本を読むときに老眼鏡(読書眼鏡)をかけなくていいのは嬉しいです。見かけの問題だけではなく、目が疲れにくいので長時間読んでも平気です。長時間の移動の読書タイムに向いています。

読みたいKindle洋書を見つけたら、すぐにダウンロードして読むことができます。私はこの点は画期的だと思います。今まではこの洋書が読みたいと思ってから、手に取るまでに時間がかかりました。その間に読みたい気持ちが薄らいでいることだってあり得ます。読みたい気持ちが高まっているときは、多読のペースも速くなります。

Kindleには辞書機能があるので、調べたい単語を長押しすると意味がわかります。多読は辞書は使わないで読むのが原則ですが、その理由の一つは辞書を引くと読むリズムが崩れるからです。辞書機能を使えば一瞬で意味がわかるので、読むリズムを損なうことはほとんどありません。

それでも知らない単語に出会ったときに、毎回辞書機能を使うのはおすすめしません。特に初心者のうちは辞書は不要だと思います。辞書で意味を知ることよりも、推測読みの訓練のほうが大事だからです。多読が進んでくると、自分で辞書を引いたほうがいいとき、あるいは引いてもいいときが分かるようになるので、効果的な使い方ができるはずです。

Kindle洋書には無料のタイトルが無数にあるので、お金をかけずにたくさん洋書を読むことが可能です。ただし、面白い洋書に出会える可能性は低いと言えます。現在活躍中の人気作家の書いた洋書は、まず無料では手に入らないからです。著作権切れの古典・名作などは常に無料でダウンロードできますが、そういう洋書は初心者向きではありません。英語絵本で無料、しかも面白い英語絵本を見つけられる可能性は低いです。考えれば当たり前のことですが、その辺を割り切ることは必要となります。

Kindle洋書は最初の数ページだけ試し読みができるので、洋書を選ぶときの参考になるでしょう。何年か経験を積むと、表紙やタイトルから自分好みの洋書かどうかを判断するときの勘が冴えてくると思います。

Kindleの欠点

  • 操作や感覚に慣れる必要がある
  • 何らかの原因でフリーズすることがある
  • 充電が必要

Kindleは便利ですが、操作や感覚に慣れることが必要です。たとえばページのめくり方やめくった感じが紙の本とは全く違うし、1冊の本のどこら辺を読んでいるかがわかりにくいので、初めはどうしても違和感があります。

たまに画面が固まることがあり、そうなると非常にストレスを感じます。ダウンロードしたKindle洋書のファイルサイズが大きいときなど、固まったりおかしな動作をするときがあります。どうにもならないときには、強制的にOFFにして、再起動しますが、隙間時間に読むことが多いKindleなだけに、イライラの原因になりますね。

充電切れすると、読めなくなります。紙の本は、明るいところで開きさえすれば読めるのですが、Kindleはバッテリーが切れるとただのお荷物になってしまいます。

紙の洋書、Kindle洋書のいいとこ取りをしよう

私は多読に紙の洋書とKindle洋書を使っています。Kindleを使い始めたころは、ほとんどKindle洋書しか読んでいませんでした。紙の本から暫く遠ざかった時期がありましたが、また紙の洋書に戻ってみて、やっぱり紙の本も良いものだなと思います。

どちらが良いということはなく、両方の利点をうまく利用して洋書の多読を進めていくのが良いと思います。洋書にお金をかけられない時期は、無料の洋書をダウンロードすれば良いですし、無名だけれど面白い作家探しをしても楽しいかもしれません。

紙の本が良いと思うのは、絵本を読むときです。大版の絵本見開き一杯の絵を見ながら英語を読むと、やはりそう思います。子どもに読んで聞かせるときも、紙の本のほうが良いと思いました。

小説などはKindleの方が便利だと思うことがあります。ちょっと背伸びをして、いつも読んでいるものより難しい洋書を読むときには、辞書機能を時々使いながら読むこともありました。老眼で小さい文字が見にくいときには、小説はほぼテキスト形式のファイルなので、文字を大きくすることが可能です。

Kindleの絵本はPDF形式のものが多く、文字が全く拡大できない絵本もありました。PDF形式でもテキストの部分をタップするといくらか大きくなる絵本が多いですが、何段階にも大きくできる機能まではありません。スマホのように拡大できる絵本はありますが、限られています。でもそうして拡大すると、絵も拡大されてしまうので、文字と同時に絵を見ることは不可能です。そういう不便さがKindle洋書にはあります。

私の場合、基本的には絵本は紙、文字が主体の洋書はKindleで固まって行きそうです。児童書は手に入る価格が安い方で紙かKindleを選ぶことになりそうです。

あとは場面によっても紙またはKindleで使いわけできそうです。たとえば読み聞かせであれば紙(やはりほぼ絵本ですね)、移動中に読む本で目の疲労を抑えたいときにはKindleが良いかなと思います。

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