洋書に関しては、まだ行橋市図書館のレビューを残しているのですが、最近読んだ感動の洋書絵本について書いてみようと思います。
絵本は幼稚なのか?
多読を始めて数年は、洋書絵本を読んではいたものの、その当時の正直な気持ちはこんなのでした↓
「簡単な英語しか読めないから仕方なく読んでるけど、本当はもっと年相応な洋書を読みたいな~」でした。
「絵本はなんだか幼稚だな」と、内心は思っていたのです。確かに絵本は幼稚かもしれません。でも、ただ幼稚なだけではないのが絵本です。子どもが見て、理解できる範囲で楽しむと、それは幼稚な内容です。大人は違いますね。これまでいろんなことを経験し、多くを学んできたのが大人。知識のことだけ言ってるのではないですよ。いろんな人の人生を見ながら、いろんな感情を知っているのが大人。知識や言葉が増えることで、複雑な心理を感じるだけではなく、より複雑な思考もできるようになり、それを言語化して表現することもできるようになりますよね。すると絵本を見ていると、ハッとする瞬間が多々あります。
心の深いところで絵本を読むのが大人の読み方
自分が長い年月をかけて心の中に根をおろしたとても深くて大切なことが、シンプルな言葉、または絵で表現されているのです。自分ではうまく表現しきれないからこそ、ハッとするのかもしれません。大人は絵本を心の深いところで読みます。洋書多読を始めてから数年かけて、私はやっとそういう読み方ができるようになったみたいです。心が開いてきたというのか、豊かになってきたというのか、やわらかくなってきたというのかわかりませんが、心に響く絵本が大好きです。
そうわけで、今回の心に響いた洋書絵本を1冊ご紹介します。ただ紹介するだけではいつもと変わらないので、今回は過去に読んだときに記した私の感想と、今の感想を載せたいと思います。絵本が心で読めるようになる前の私と、読めるようになった私、それから、英語がまだあまり読めなかった私と、ずいぶん読めるようになった私が一目瞭然。これが進歩ですね。それから日本語の文章表現も上手くなっているのかなと思います。
まだまだ未熟者です。まだまだ磨きがいがあります。もっともっといい文章、書けるようになりたいし、必ずなります。洋書多読をしていて良いことは、英語が上達することのみならず、感想文を書くことによって、文章も磨きがかかるということですね。私が出版できたり、ブログを続けられるのも、洋書多読のおかげです。それでは読んだ洋書を紹介しましょう。
Badger’s Parting Gifts
洋書のタイトルは『Badger’s Parting Gifts』、日本語のタイトルは『わすれられないおくりもの』です。この記事を書くにあたり、今回読んだときに書いた自分の読書記録と、多読を始めて間もないころに書いた記録とを比べてみました。すると面白いことがわかったので、この洋書を紹介する前にちょっと脱線気味になりますが、そのわかったことを書きます。
私の絵本読解力、英語力、日本語力の成長記録
まずは2005年11月に読んだ時の感想文
”Badgerの寿命がつき、森のみんながとても悲しみ、Badgerとの思い出を思い出す。”
たったこれだけです。今読み返すと恥ずかしいです><;
そして2014年11月に再読した時の感想文。
”アナグマのBadgerは長老で、森の住人たちから慕われ、尊敬されてきました。Badgerは森のみんなの知恵になり、良き指導者なり、みんなを助けてきたのです。そんなBadgerですが、もうこの命は長くないかもしれないと感じるのです。そしてある寒い日の夜、Badgerは旅立ちました。森の住人たちは皆、悲しみにくれました。本格的な冬が来て、雪の中で寒さに耐えながら、皆はBadgerが去った悲しみにも耐えたのです。やがて春が来て、寒さが和らいだとき、悲しみも和らぎ良い思い出へと変化し始めます。親しい存在がいなくなったとき、人はどう感じるのか、どう変化していくのかを、絵本が見事に表現してくれている気がします。Badgerの最後のメッセージは、残されたものが心の中に思い出を飾り付けるために、丁度良い空間を残してくれているように感じました。”
これを読むと、絵本のシーンが思い浮かびます。さらに磨きをかける必要があるのは、日本語の表現力ですね。
記録をつけていると自分の成長がわかる
2005年8月終わりに洋書多読を始めてから、記録として必ず読み終わった後に感想を書いていました。それをブログに書き始めたのですね。だから私のブログ歴と洋書多読歴はほぼ同じ。2005年11月というと、洋書多読を初めてまだ2-3ヶ月。文面から、おそらく私はこの絵本をあまり理解できていなかったのだろうと思われます。おおざっぱに「何がどうした」程度の理解ですね。2-3割の理解だろうか・・・なんと私は、それでも洋書多読が面白くて仕方がなかったのです。辞書を引かなくていいし、わかるところだけで楽しんでいればよいのだし、試験みたいに理解を試されることもない。読みたくない時は無理に読まなくていい。ノルマなんか一切ないし、課さない。それでも続けていると、こうなってしまう。
肝心な洋書の紹介・おすすめ文
これが多読の力ですね。今日はこういう比較がわかりやすいかな、と思ってアップしてみました。あ、なんかあまり絵本の内容に触れていませんが、感想に書いた通り、とても信頼し親しみを抱いている大事な存在がいなくなったとき、いったいどんな気持ちになるのかが、上手く表現されていて、癒しの過程もわかりやすく、「あぁ、そうだったな」とか、「そうなんだな」って思える素敵な絵本でした。だから絵本はやめられない。