小学校低・中学年でも読み方次第で充分伝わる洋書絵本10冊

英語の絵本というと、英語の勉強と思ってしまっていませんか?英語の絵本は勉強モードにならずに英語が学べる素晴らしいモノなんです。絵本は子どもだけのものではないと、私は考えています。日本語も英語も関係なく、子どもと一緒に楽しめたら素敵だと思います。

普段は大人のために洋書絵本を紹介していますが、今回はちょっと視点を変えて、子どもも楽しめる洋書絵本を10冊紹介します。

犬が活躍する洋書絵本

犬好きならきっと気に入る物語です。ストーリーはそれほど幼稚な感じはなく、単純な展開ではありますがしっかりと読者の心をつかみます。子どもと一緒に悲しんだり寂しがったり、喜んだり笑ったりできる絵本を選びました。

The Stray Dog

YL1.2
総語数205

家族でピクニックへ出かけた日、犬に出会いました。子どもたちは犬と楽しく遊び、帰る時に連れて帰りたいと言いますが、お母さんは「ダメ」。誰かの飼い犬だろうから、連れて帰っちゃダメというのです。がっかりする子どもたち。でもそれから一週間、子どもたちだけではなく、両親も「ボー」っとあの犬のことを考えているのでした。次の週末も同じ場所へピクニックへ行きました。落ち着いたイラストが素敵でした。ストーリー展開に癒されます。コルデコット賞受賞作品。

Harry the Dirty Dog

YL1.5
総語数465

ロングセラーの絵本です。邦題『どろんこハリー』。犬のHarryはお風呂が大嫌い。家の人がお風呂にお湯を入れる音を聞いたので、身体を洗うブラシを隠してしまいます。それから外へ遊びにでかけて真っ黒け。家に帰ると家族がHarryを探していました。駆け寄ると家族のよそよそしい態度にショックを受けます。

No Roses for Harry

YL1.5
総語数748

どろんこハリーのシリーズです。おばあちゃんがHarryにバラの模様がついたセーターをプレゼントしてくれました。けれどもHarryはバラの模様が気に入りません。どうにかしてこのセーターを着ずに済む方法を考えます。どこかに忘れてきたら・・・淡い期待はことごとく消え、意気消沈。そこへ鳥が飛んできて、Harryのセーターの糸をくわえて空に飛び立ちます。

Harry and the Lady Next Door

YL1.0
総語数1246

『どろんこハリー』のシリーズです。Harryはお隣に住む女性に悩まされていました。女性の甲高くてうるさい歌声が嫌いだったのです。あの手この手で歌をやめさせようとしますが、すべて失敗に終わります。あきらめかけたとき、思いも寄らぬ出来事が。子どもにもわかりやすい内容でした。

Officer Buckle and Gloria

YL1.5
総語数633

小学校へ安全の話をしに行く警官Buckleさん。今日も学校でお話を。誰一人聞いてはくれません。ある日、Buckleさんは警察犬Buckleをパートナーにしました。学校の子どもたちは警察犬Gloriaに目が釘付け。そのときから学校では怪我が減り、お話もみんなきちんと聞いてくれるようになり、さらにいろんなところから話をしに来て欲しいと依頼が来るように。しかしBuckleさんはこの変化を喜ぶどころか、反対にふさぎ込んでしまいます。コルデコット賞受賞。

愛が伝わる洋書絵本

まだお母さんのことを大好き!と言ってくれる時期に、ぜひとも読んでもらいたい洋書絵本です。日本語版もあるので、両方読んであげても良いですね。でもきっと、英語だけでも気持ちがちゃんと伝わるストーリーだと思います。

The Runaway Bunny

YL1.5
総語数385

子どものうさぎがお母さんから逃げます。どんどん逃げます。けれどお母さんはあきらめません。お母さんの大きな愛を感じるあたたかい絵本です。

The Kissing Hand

YL1.2
総語数492

アライグマのChesterは初めての学校に戸惑っています。学校に行かないで、お母さんとずっと一緒にいるのがいいと言います。お母さんはCheterの手をとり、学校へ行くと楽しいことがたくさんあると話します。そしてChesterに秘密の勇気をくれました。

Kitten’s First Full Moon

YL2.3
総語数261

邦訳『まんまるおつきさまをおいかけて』。子ネコが始めて満月を見ました。まあるいお月様をお皿に入ったミルクと勘違いして飲もうとします。その姿が愛らしい。白黒のイラストは、月夜の雰囲気で素敵です。コルデコット賞受賞作品。

愉快な洋書絵本

子どもはドタバタ劇が好きな子が多いように思います。それから繰り返しを好む子も。1冊目は積み上げ歌と言って、何度も同じフレーズが出てきますが、少しずつ言葉が追加されていきます。英語を読む練習にもなって良いです。2冊目はいかにも子どもが好きそうなドタバタ。ナンセンスなストーリーを、大人も心から楽しめれば本当に楽しいです。

This Is The House That Jack Built

YL0.7
総語数461

シムズ・タバックのイラスト。がちゃがちゃとにぎやかなイラストに、ナーサリーライムをのせていきます。これも積み上げ歌。声に出して読むと楽しいです。

The Rain Came Down

YL0.8
総語数558

雨が降ってきた!するとたちまち騒がしくなった!ニワトリ、ネコ、犬が騒ぎ出したかと思うと、犬の声で赤ちゃんが泣きだし、お母さんが怒鳴る。騒ぎを聞きつけた警官が家の前にパトカーを止める。そのせいで後ろの車がつかえて渋滞に。車に乗っている人がイラつき始め、喧嘩になる。道路沿いのお店の人達も出てきて大騒動に。このハチャメチャ具合が面白い。子どもにウケると思います。

英語も日本語も、絵本は読めば読むほどハマる・・・かも

私はもともと、絵本は嫌いでした(笑)。英語の多読を始めて、易しい英語から読もうということで、嫌々英語の絵本を読んでいました。読み終えた冊数、語数をかせぐためだけに読んでいた時期がありました。

いったい何が面白いのだろうと思いながら、とにかく最後まで読むことだけを考えていた自分を思い出します。でも動機は何であれ、続ければそのうちに自分の心に響く文章、絵本に出会うものです。文章とは限りませんね。イラストかもしれません。

私はある絵本作家を好きになったのが始まりでした。その作家さんの絵本が手に入れば読んでいましたが、多くは好きでもない絵本をそれこそ乱読していました。

すると不思議と、いつのまにかシンプルな文章に感動し、想像力を膨らませるのが楽しくなり、さらには表紙を見るだけで自分が好きになりそうな絵本もかぎ分けられるようになりました。

自分で絵本を探せるようになるまでは、絵本選びが一番大変でした。それで少しでもお役に立てれば、絵本の楽しさを伝えられればと思い、読書記録を生かすためにもせっせとこうして絵本の紹介記事を書いています(笑)

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