これが読めたら自信がつく!ちょっと難しめの洋書(英語)絵本15冊に挑戦

今回はちょっと難しめの洋書絵本を紹介します。易しめの洋書絵本をいろいろ読んで、だいたい辞書なしでもスラスラと理解できるようになった人に、チャプターブックへ進む前段階として、おすすめの洋書絵本です。もしかするとチャプターブックのほうが易しく感じるぐらいの洋書絵本もあるかもしれません。

いつものようにすべての本にYL(読みやすさレベル)と総語数を明記しました。YLは数字が小さいほど易しい英語です。初心者向きなのはYLが0.0~2.0ぐらいまででしょう。2.5以上になってくると、洋書絵本を読みなれた人でないと難しく感じるレベルだと思います。今回紹介するのは2.2~3.5のレベルです。YLは主観的な判断に基づく数値なので、参考程度に考えてください。

本の表紙画像をクリックするとアマゾンで購入できます。お気に入りを見つけたら、忘れないうちにご購入を。

洋書絵本・大人向けのストーリー

『An Angel for Solomon Singer』Cynthia Rylant (著), Peter Catalanotto (イラスト)
YL2.2、総語数853
ニューヨークのホテルで暮らす一人の男性。彼はインディアナ出身で、故郷を懐かしく想いながら、今暮らす街を好きになれないでいました。どうして故郷に帰らないのだろう。帰ってももう家族と呼べる人がいないのか・・・。自分が居る場所が好きではないことの本質が、本を読み終えた時に理解できました。同時に家族と暮らしている自分は、それが当たり前だと感じていたけれど、考えてみれば一時のことなんだと気がつきました。もしも時が経ち、一人残されたとしたらきっと、男性と同じ気持ちになるのかもしれません。
『Write to Me』Cynthia Grady (著), Amiko Hirao (イラスト)
YL2.4、総語数1,020
第二次世界大戦中、アメリカに住んでいた日本人が家を離れ、収容施設に入らなければなりませんでした。子どもは学校にも行けません。図書館が好きな子どもは本が読めなくなること、図書の先生と会えなくなることが寂しかったのです。その思いを知った図書の先生は、子どもたちと手紙で交流を続け、また会いに行っては新しい本を渡しました。戦争が終わり、再会できたときの嬉しさを想像するだけで嬉しくなります。このお話は実話で、絵本の最後には同窓会で何十年か後に先生と生徒が再会している写真があります。
『Owl Moon』Jane Yolen (著)
YL3.0、総語数750
雪が積もる夜に、足音も吸い込まれそうな静けさ。寒さが感性を研ぎ澄ましてくれるよう。お父さんと一緒に、初めてフクロウを見に行くのです。会えるときもあれば、会えないときもあると兄弟たちは言う。お父さんがフクロウを呼ぶ。返事はない。しばらくしてまた呼んでみる。フクロウが父に応えるように声をあげ、その姿を現した。言葉がとてもきれいでスムーズ、美しい。雪の夜にピッタリな気がしました。コルデコット賞受賞。
『Star of Fear, Star of Hope』Jo Hoestlandt (著), Mark Polizzotti (著), Johanna Kang (イラスト)
YL3.4、総語数1,888
1942年、フランス警察がナチスの命令によりユダヤ人の一斉検挙が行われました。この物語はフランス人一家の一人娘Helenと仲良しだった、ユダヤ人の女の子Lydiaとの友情と別れを描いています。星のマークの意味を知らなかったHelen。彼女の誕生日の前の夜、Lydiaが泊まりに来てくれて最高に楽しい時を過ごしていたのに、夜中の足音で一変。大好きなLydiaが家族のもとに帰るといい、HelenはLydiaに心にもないひどい言葉を放ってしまいます。事の深刻さが分かったのは次の日の朝。もう時は戻らない。放った言葉も戻せない。苦しい思いを胸に、Helenは年老ていました。未だ会えない友へ、Lydiaのお母さんが言った言葉を繰り返し、光の中にある希望を信じようとする彼女の気持ちが、苦しみや後悔を伴う闇とともに伝わってきます。
『The Highwayman』Alfred Noyes (著), C. Keeping (イラスト)
YL3.5、総語数1,031
義賊と宿場の娘との悲恋を描いたイギリスの古典。Highwayとは盗賊を意味しますが、この詩の中に出てくるHighwaymanは義賊。盗んだ金品を貧しい者に分け与える盗賊のことです。ある日、宿場に兵隊が立てこもり、娘を人質に取りHighway manを待ち伏せします。娘は彼の命が危ないことを知らせるために、自らの胸に突き付けられた銃の引き金を引きます。敵のたくらみと娘が死んだことを悟ったHighway manは、一人宿に突入しようとしますが、銃に倒れてしまうというお話。この後幽霊となったHighwaymanは馬に乗って彷徨います。コルデコット賞受賞。
『Emily』Michael Bedard (著), Barbara Cooney (イラスト)
YL3.5、総語数1,722
お向かいの黄色い家に住む不思議な女性。彼女は人前に出たがらず、家に誰かが訪ねてきても家の中に隠れてしまうのだとか。そんな彼女を近隣の人達はMythと呼んでいます。ある時、少女の家に一通の手紙が。それは黄色い家からのお母さんへの依頼で、家にピアノを弾きに来て欲しいという内容。初めて入る黄色い家。そこで初めてMythに合う少女。あとがきには女性について書かれていました。Emily Dickinson。1800もの詩を残し、子ども達が友達だった彼女は、限られた空間で自由な心と驚きに満ちた世界を生きていたのかもしれません。(語数はAfterword200語も含む)

洋書絵本・子どもと一緒に楽しめそうなストーリー

本の表紙画像をクリックするとアマゾンで購入できます。お気に入りを見つけたら、忘れないうちにご購入を。

『Thunder Cake』Patricia Polacco (著)
YL2.2、総語数1,122
雷が大嫌いな女の子は、ロシアから来たおばあさんの家に行くのが大好き。おばあさんはミシガンに住んでいます。ミシガンの夏は嵐がきます。女の子の嫌いな雷がやってくるのです。このお話は、おばあちゃんのサンダー・ケーキで女の子が雷の恐怖を克服したお話です。サンダー・ケーキのレシピが気になって、実際に作ってみる人もいるとか。
『One Morning in Maine』Robert McCloskey (著)
YL2.4、総語数2,731
Blueberries for Sal』の続編です。あの頃から少し成長し、今はSalには小さな妹が一人います。朝目を覚まし、お父さんと港に行く準備をしますが、歯がぐらぐらしていることに気が付き、不安になります。初めてのことだったので、びっくりしたのでした。お母さんの「それはお姉ちゃんになるってことなのよ」という言葉を聞いた瞬間から、飛び上がらんばかりに喜び、元気いっぱいになります。成長し妹の世話をするSalですが、やはりブルーベリーのときのような無邪気さもまだ残っていて、久しぶりに姪っ子にあったような、不思議ななつかしさを感じました。コルデコット賞受賞作品です。
『Ming Lo Moves The Mountain』Arnold Lobel (著, イラスト)
YL2.5、総語数2,000
Ming Loは妻と幸せに暮らしていましたが、たった一つ、目の前にある山が嫌いでした。その高い山から時々落ちてくる石が危ないし、屋根を直撃して穴が開き、山の影で食物も育ちません。耐えかねた妻はある日、夫に賢者のところへ行き解決法を聞き出してことを提案します。ユニークなストーリー。
『OX-Cart Man』Donald Hall (著), Barbara Cooney (イラスト)
YL2.5、総語数657
10月になると、お父さんは牛が引く荷車に家族が一年間働いて作ったものを詰め込みます。遠くの街まで行って、それらを売ってお金を得るためです。何日も歩く遠い道のり。お父さんは家族を残して出かけるのです。手作り品は本当にすべてが手作り品なのです。飼っているヒツジの毛を刈り、それから毛糸を作って編み物をするのです。荷車も牛のハーネスも農作物もはちみつもメープルシロップも何から何まで手作りです。お父さんはそのすべてを売ってお金にかえてきます。牛や牛のハーネス、荷車まで!彼らの一年の暮らしぶりに感心します。コルデコット賞受賞。
『Mirret on the High Wire』Emily Arnold McCully (著)
YL3.2、総語数1,164
パリで宿を営むGateauの娘Miretteは、いつも宿の仕事を手伝っていました。ある時、男性の泊り客が来ました。Miretteは彼が宿の庭で綱渡りをしているのを目撃します。そのときからMiretteは綱渡りがしたくて仕方がありません。教えてもらおうとしましたが断られてしまいます。それでもあきらめきれずに、こっそりと一人練習を始めるMirette。そしてなんとかバランスが保てるようになります。綱渡りをしていた男性は、Miretteには素質があると言って、教えてくれるようになりました。そしてある時、Miretteはその男性が引退した有名な綱渡り芸人であることを知ります。男性が綱渡りを引退した理由も。Miretteと男性の交流が素敵です。コルデコット賞受賞。
『Sylvester and the Magic Pebble』Arnold Lobel (著, イラスト)
YL3.5、総語数1,404
ロバのSylvesterは、変わった石を集めるのが趣味。あるとき赤くて丸い不思議な石を見つけます。その石を持って願い事をつぶやくと、その通りのことが起きてしまうのです。早く家に帰ってお父さんとお母さんに見せようと家に向っている途中、ライオンに出会います。ライオンを恐れるあまり、Sylvesterはとんでもないことをくちばしってしまいます。絶体絶命の情況に追い込まれてしまったSylvester。子を思う親の気持ちがわかる今、ホロリとさせられるストーリー。コルデコット賞受賞。
『Thank You, Mr. Falker』Patricia Polacco (著)
YL2.6、総語数2,251
ディスクレシアだったポラッコの実話。一人ではつぶれていたかもしれない才能を、一人の先生が彼女を勇気づけ、自信を持たせ、他の先生と協力して彼女の力を引き出してあげたから・・・長い時を経て再会したとき、先生はいったい何を思っただろう。
二人の気持ちを考えただけで、胸がいっぱいに。

洋書絵本・ちょっと不思議なストーリー

本の表紙画像をクリックするとアマゾンで購入できます。お気に入りを見つけたら、忘れないうちにご購入を。

『The Wreck of The Zephyr』Chris Van Allsburg (著)
YL2.5、総語数1,318
旅で立ち寄った海岸にある村。男性は少し散歩してみることに。崖を上がったところに、ボロボロの船を見つけました。そこには一人のおじいさんがいました。おじいさんにどうしてこんなところに船があるのかと聞くと、おじいさんは不思議な話を語って聞かせました。船の操縦がとてもうまかった少年と船の話を。
『The Widow’s Broom』Chris Van Allsburg (著)
YL3.5、総語数1,600
魔女が必ず持っている空を飛ぶほうき。そのほうきの魔法がなくなってしまい、魔女と一緒にある家の畑に墜落します。魔女は次の日にいなくなりますが、ほうきはその家に残されます。家には未亡人が住んでいました。未亡人は朝からほうきが床を掃き掃除しているのを見てびっくり。そのうちに掃き掃除以外の家の仕事を覚え始めます。物覚えの良いほうきに、夫人も大満足。ところがこの不思議なほうきをよく思わない隣人たち。あることが引き金になり、恐ろしいことが怒ります。

少し難しめの洋書絵本を紹介しました。もっと難しい絵本もありますが、だいたいこの辺りが読めるようになったら、チャプターブックへ移行しても問題なく読めるはずです。チャプターブックとは章立てになっている本で、児童書と呼んだりもしています。絵本とは違い、ところどころに挿絵が入っている程度なので初めは抵抗があるかもしれませんが、面白いチャプターブックを見つけるとどんどん読めるようになります。

最新情報をチェックしよう!