イメージでボキャアップ! spring

英単語を覚えるのに苦労していませんか? 私も苦労しています(笑)。けれども昔ほどは苦労していません。なぜかというと、英単語をイメージで印象づけて記憶することを覚えたからです。
イメージで印象付けて記憶するとは? これから実際に読んだ洋書の中から、英単語を取り上げて説明していきます。気が向いたら、時間があったら更新する、気ままなボキャアップ(ボキャブラリーアップ)シリーズの始まりです。

筆者が「元英語落ちこぼれ」なため、難しい話はいっさいしません(笑)。英単語を語源からさかのぼり、その歴史から懇切丁寧に説明することはしません。語源は紹介しますが、あくまでこれは「英語のお勉強」ではなく、楽しく苦痛なく英単語を記憶に残し、応用力をつけ、知らない単語に出会っても、ある程度の推測ができるようになることに重点を置いています。

springは「何かがピョン!と跳びはねて現れる」イメージ

springのイメージ1

springというと、「春」。学校で初めてspringを習ったとき、そう教えられたと思います。私の英語落ちこぼれ時代でも、springが「春」であることは知っていました(笑)。それほどよく知られた英単語。

けれど「spring=春」という認識しかないと、それはspringという英単語のほんの一面しか見ていないことになります。洋書を読むようになると、いろんな意味のspringに遭遇します。これからspringの全体像、ぼんやりではありますが、眺めてみましょう。

人気の洋書『Wizard of Oz』から1つ、springの例を挙げてみましょう。

The Wonderful Wizard of Oz (Dover Children’s Evergreen Classics)

洋書で見たspring 『Wizard of Oz』から

『Wizard of Oz』第2章からspringを使っている文章を見てみましょう。冒頭にイメージで示したように、spring=何かがピョン!と跳びはねて現れるイメージを思い浮かべてみてください。それで例文を読んでみましょう。

She sprang from her bed and with Toto at her heels ran and opened the door.
(Dorothyはベッドから跳ね起きて、Dorothyのすぐ後ろを走るTotoを連れてドアを開けました。)

sprangは動詞で、springの過去形です。”She sprang from her bed…”「Dorothy(She)は、ピョン!と跳びはねた」のですね。どこから跳ねたのかというと、”from her bed” 「Dorothyが寝ていたベッドから」です。「跳びはねた」と言葉で書くと違和感がある内容ですが、実際はイメージで思い浮かべるので、さほど違和感はありません。

springのイメージ2

他にもこんなspringが・・・

springが使われる言葉に、「hot spring」(温泉)があります。初めて知ったとき、「hotはなるほどと思うけれど、なぜspringなの?」と思いませんでしたか? 私は思いました(笑)。「春」という意味しか知らなかったものですから。springのイメージを再び思い出しましょう。

springのイメージ1

温泉は地面から湧き出る水です。水が地表へ出てくるイメージへと広げてみましょう。間欠泉だとブワー!と噴出するし、泉はジワリジワリ湧き出ます。温泉の湧き上がり方、勢いにはいろいろあるかもしれませんが、何もないと思ったところから突然現れるイメージは共通です。

このようにspringを「ピョンと飛び跳ねて現れる」イメージと捉えると、今までわからなかった英文の中のさまざまなspringが、イメージとなって姿をみせてくれるようになります。
辞書を見てみると、springの名詞、動詞にはたくさんの日本語の意味が載っていますが、「何かがピョン!と跳びはねて現れる」イメージを持つと、自分なりに納得できるようになります。洋書の中から辞書に載っている意味の例文を見つけられるのが一番よいのですが、かなり困難なので辞書から例を挙げてみたいと思います。

たくさんの意味も、1つのイメージから納得できる

以下にspringに相当する日本語の意味いろいろと、私なりの納得の仕方を紹介します。

springの意味 ピョンと飛び跳ねて現れるイメージからの発展
泉、湧き水 地下から出てくる水。小川などの水の流れがあるのではなく、地面から水が湧いている=地面から水が跳び出すというイメージ。
バネ ピョンと飛び跳ねて現れる→バネ(スプリング)。
元へ戻る力、弾力 ピョンと跳ねると、引力で戻る力が働く。バネは伸びると元に戻る力が働き、それが弾力になる。
原動力、源 跳ねる「力」の源があるはず。それが原動力。
始まり 何かがピョンと跳び出して始まる。
裂く、割る ピョンと跳ねる力により、何かを裂く、割る。
釈放させる これは英文を見ると納得できる。
“I was sprung from prison in four for keeping my nose clean.”
「おとなしくしていたので4年で釈放された。」(例文は英辞郎Ⅵより引用)
刑務所からピョンと跳び出す。(脱獄ではなく)閉ざされた空間から、解き放たれるというイメージ。

springの「春」という意味は、冬が終わると始まる季節。春になるとピョコンピョコンと植物の芽が跳び出てきますよね。
だからやっぱり「春」も、「ピョンと飛び跳ねて現れる」イメージを発展させたところにあります。

ゆる~く語源を見てみよう

「spring」の語源は「springan*」で、意味は「to spring、to jump」(湧き出る、跳ねる)です。
springan*:「spring」の語源となる「springan」は古英語といって、5-12世紀にイングランドで使われていた今の英語の祖語にあたる言語。

これは英語が使えるようになるのとは別の「英語の知識」なので、知らなくても支障ない情報です。難しく感じるのなら、スルーしてくださいね^^ 私がときどき使っている便利な語源を調べることができるサイトも紹介します。
リンクONLINE ETHYMOLOGY DICTIONARY ~ springのページ

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