大人向けのペーパーバックが読めるようになっても、やっぱり洋書絵本が面白い。シンプルなストーリーに込められたメッセージをきちんと受け取るには、それなりの英語力は必要です。
でも実はそれだけでは不十分。英語が読めるだけでは、楽しさはいま1つ感じられないかも。絵本を楽しむ感性があれば、完璧です。そしてその感性は、たくさん読むうちに養われるものでもあると、私は思っています。
まだまだ易しめの洋書絵本を楽しもう
もうすぐ多読記録開始後、800万語を迎えようとしていても、まだまだ易しめの洋書絵本が面白いです。いやもう、英語の難易度と面白さは関係ないですね!
絵本はちょっと・・・と思っている人にこそ、読んでもらいたい易しめの絵本を10冊、今回は紹介します。
Make Way For Ducklings
YL1.7
総語数1089
アヒルのつがいが住処を探して空を飛んでいました。あちこち見てまわれどなかなかいい場所が見つかりません。もうすぐ卵を産む季節。静かに安心して卵を産んでひなを育てる場所が必要なのです。初めにやっと二人で納得した良い場所を見つけたのですが、そこも卵を産むには問題ありとわかりました。アヒルのつがいは近くを飛びまわり、やっと卵を産むのに最適な場所を見つけました。ひなが生まれ、お母さんは初めに見つけたお気に入りの場所に、ひなたちを連れて大移動することにします。果たして無事に到着できるでしょうか。絵は白黒だけれど、人とアヒルの交流やお母さんの気持ちがとても温かく描かれています。コルデコット賞受賞作品。
Peter’s Chair
YL1.4
総語数297
Peterに妹が生まれました。Peterは自分が使っていたものが妹に奪われてしまうのを見て、取られたくない自分の物を持って家の外に出ます。しばらくしてお昼の時間になり、家に戻ることに。Peterとお父さんお母さんのやり取りがあり、気持ちが和らいできます。もう自分には必要ないという心境に至る過程、言葉がなくても伝わる力がある絵本です。
No, David!
YL0.2
総語数65
やんちゃ盛りで元気いっぱいのDavid。今日もお母さんに怒られています。とうとういたずらが過ぎて、ママが本気で怒った!さすがのやんちゃ坊主も涙。でも笑顔が戻るのもやっぱりママがいるからなんだよね。子どもに大うけ。コルデコット賞受賞作品です。
Katy and the Big Snow
YL2.3
総語数700
Katyは働き者のトラクターです。車体の前の部分を変えて、ブルドーザーになったり除雪車になったりします。街中で困った事態の解決をするのがKatyの仕事。ある年、街はたくさんの除雪車を投入。これではなかなかKatyの出番がありません。ある日大雪が降り、除雪車たちすら動けなくなってしまいます。いよいよKatyの出番がやってきました。絵本の絵が細部まで楽しく、街の地図を見るのも楽しいです。
Gorilla
YL1.5
総語数460
Hannahはゴリラが大好きです。本物のゴリラを見たくて、動物園に行きたいとお父さんに頼みます。けれどもお父さんはいつも仕事で忙しく、相手になってくれません。そんなお父さんですが、Hannahの誕生日に小さなゴリラのぬいぐるみをプレゼントしてくれました。Hannahが夜中に目を覚ましてお父さんからのプレゼントに気が付きます。でも・・・Hannahはおもちゃじゃなく、本物のゴリラに会いたいのです。再び眠りについて、次に起きたときに信じられないことが起きました。アンソニー・ブラウンのゴリラの世界を堪能できます。ケイト・グリーナウェイ賞(イギリスで出版された優れた絵本に贈られる賞)。
Blueberries for Sal
YL2.0
総語数1011
Salはお母さんと一緒に、ブルーベリーを摘みに出かけました。バケツを持って、たくさん摘んで、冬の間の食べ物にするためです。お母さんはブルーベリーを摘んではバケツの中にコロンコロンと入れていきます。Salはブルーベリーを摘んで口に運びます。お母さんが摘んだ分まで食べ始めたので、お母さんはあっちへ行って自分で摘みなさいと言います。Salがお母さんから離れて夢中でブルーベリーを口に運んでいると、クマの母子も同じように冬に備えてブルーベリーを食べに来ていました。人間の親子とクマの親子の様子がとても楽しく、ほっこりします。コルデコット賞受賞作品です。
One Morning in Maine
YL2.4
総語数2731
『Blueberries for Sal』の続編です。あの頃から少し成長し、今はSalには小さな妹が一人います。朝目を覚まし、お父さんと港に行く準備をしますが、歯がぐらぐらしていることに気が付き、不安になります。初めてのことだったので、びっくりしたのでした。お母さんの「それはお姉ちゃんになるってことなのよ」という言葉を聞いた瞬間から、飛び上がらんばかりに喜び、元気いっぱいになります。成長し妹の世話をするSalですが、やはりブルーベリーのときのような無邪気さもまだ残っていて、久しぶりに姪っ子にあったような、不思議ななつかしさを感じました。コルデコット賞受賞作品です。
Pumpkin Soup
YL2.1
総語数788
ネコとリスとアヒルが楽しく暮らしています。おいしいパンプキンスープを作る時間がきました。それぞれがきまった役割で作ったスープの美味しいこと。音楽も各自担当のパートがあり、掛布団づくりにもそれぞれの役割があります。それでとても楽しく愉快に暮らしているのでした・・・と思いきや、アヒルだけは違いました。ひとり朝早く起きて、何やらたくらみがあるようです。それはパンプキンスープ作りでリスがやっている混ぜる係をやりたいのです。けれどもそれを許さぬリス。とうとう喧嘩が始まってしまいます。アヒルが怒って家出。いつまでも戻らないアヒルを心配し始めるリスとネコ。美しい絵と生き生きとした3匹の表情がとても愉快な絵本です。
A Pocket For Corduroy
YL1.2
総語数869
Lisaが大事にしているクマのCorduroy。お母さんとコインランドリーに行くときにはCorduroyも一緒。お母さんと洗濯をする間、Corduroyを椅子に座らせて待っててねというLisa。Corduroyは二人の様子を見ていた時、Lisaの洋服のポケットがうらやましくて、自分にも欲しいと思い始めます。椅子から降りて、歩き回りポケットに丁度いい材料を探します。そしてとうとう、Lisaと離れ離れに。お店が暗くなってもCoduroyの好奇心は止まりません。『くまのコールテンくん』シリーズで、日本語のタイトルは『コーちゃんのポケット』です。
Strega Nona
YL2.0
総語数1236
Strega Nona(魔女のおばあさん)は街中の人達の悩みを魔法で解決していましたが、年老いてきたためにお手伝いさんを募集することにしました。家のことをしてもらうためです。やってきたのはうっかり者のBig Anthony。おばあさんはAnthonyに家の仕事を説明した後、パスタ鍋だけは触らないように言いました。暫くの間、Anthonyはきちんと仕事をしていましたが、ある日、おばあさんがパスタ鍋の魔法を使っているのを覗き見したのでした。呪文もわかったし、おばあさんがいないときに黙って使ってみることに。でもその時、Anthonyは大事なことが抜け落ちていたことに気が付いていませんでした。そしてそのことが大騒ぎの原因になろうとは。
洋書絵本が好きになるきっかけ
洋書絵本が好きになるきっかけは人それぞれですが、私の場合は特定の作家さんを好きになることでした。
どんな洋書絵本が良いのか自分で選べなかった頃、手あたりしだいに読んでいました。図書館へ行っては棚にある洋書絵本を読み、古本屋さんで見つけた洋書絵本を立ち読みし(ごめんなさい><;)、多読友達から借りては読んでいました。
そうするうちに「あ、これ面白いな」と思える絵本に出会い、その作家さんの絵本を探すようになりました。好きな作家さんが同じようにしてどんどん増えていきました。
気がつけば表紙とタイトルでピンと来るようになり、知らない作家さんの洋書絵本でもピンと来るものがあれば何とかして手に入れて読むようになりました。
新品の洋書絵本だけではなく、中古本もよく買います。絶版になっている洋書絵本は古本になりますね。古典で今も読み継がれている作品は、読んでみると納得。なぜ多くの人から愛されているのかがわかります。
そういう洋書絵本との出会いを重ね、マニアになっていくのですね(笑)私はもう、マニアと言えるのだろうか・・・。