昨日届いた洋書をご紹介します。あぁ、待ちかねたわ。
Honestly, Red Riding Hood was Rotten!
YL0.9
総語数690
洋書のタイトルは『Honestly, Red Riding Hood was Rotten !』。あの有名な赤ずきんちゃんの昔話・・・ではあるのですが、そのお話に登場する悪者とされているオオカミの視点で語られた物語です。
日本語訳はないみたいなのですが、この洋書を読んで浮かんできた日本語タイトルは・・・「ぶっちゃけ 赤ずきんって終わってるで」。なぜか関西弁(笑)このお話の中で、なんとなんと赤ずきんを食べてしまったあのオオカミが、実はベジタリアンだったというから驚きです。
じゃあなんで人を食べてしまったの?
実はこのオオカミ、長い間何にも食べてなかったんですって。仲間は小動物とか捕って食べてたみたいだけど、なんせベジタリアンなんで、そんなこともせずにただ空腹に耐えていたらしい。大好物はリンゴで、ぐ~ぐ~なるお腹で森の中を歩いていると何やらいい匂い・・・。くんくんくん。女の子とお菓子の匂い。その女の子が赤ずきんちゃん。
赤いフードが付いたコートを着ていてぷっくりとしたその女の子の姿が、オオカミにはリンゴのように見えたらしい・・・その赤ずきんと少し会話をするオオカミ。
その会話を聞いたら、オオカミ視点の物語の中の赤ずきんのキャラがわかります。「これからおばあちゃんのところへ行くのよ。」と赤ずきん。そこである作戦を思いつくオオカミ。そうして皆さんの知るとおり、おばあちゃんと赤ずきんを食べてしまうのです。
おばあちゃんの家に赤ずきんよりも先にたどり着いたオオカミ。おばあちゃんはなんと緑1色の服に覆われていて、これまた赤ずきんのようにぷっくりとした姿はまるで青リンゴのよう。空腹に耐えかねて、おばあちゃんも赤ずきんも、おばあちゃんのために持ってきたお菓子も、ぜーんぶ食べたオオカミの言い分を、聞いてあげようじゃないですか。
視点が変わると、違ったストーリーになるということがよくわかるお話でした。このことは、大人の世界では往々にしてトラブルの原因になっていると思います。頭の固い大人は自分の主張が正しいと思いこみ、違う立場の者からの視点に立つと、物事がどう見えるかを想像できないでいるのです。子どもたちは、こんなユーモアあふれる素材で、こういう難しいことを楽しく学ぶんですね。