これまで英語の発音には興味があっても、パーフェクトは目指さなかったし、どこの国の訛りであろうが気にせずに真似して取り入れてきましたが、今年に入ってアメリカ英語に興味を持ち始め、アメリカ英語の発音を学び始めました。
しかし独習することに限界を感じ、ネイティブの発音指導を受けることができないか、いくつか候補になる講座を見つけた中で、私の性格に最もピッタリの教え方をしてくれるRachel’s Englishの有料講座Rachel’s English Academyを受講することにしました。
まずは無料のおためし10日間のミニコースがあったので、さっそく申し込むことにしました。申し込みは簡単で、下記のホームぺージから画面右下に出てくる「FREE 10 DAY MINI COURSE」をクリックして指示通りに必要事項を入力するだけです。
Rachel’s English Academy 10日間の無料ミニコースの概要
申し込み後すぐに、入力したメールアドレスに、1日目のレッスン動画が送られてきました。やっぱり便利なオンライン。通学が必要な学校や通わなくてはならない講座と違い、やりたいと思ったときからすぐに始められるのが良いですね。
一通のメールに動画が3個から多いときで4-5個ぐらいあったと思います。一日に一通、講座の動画数個が入っているメールが送信されてきます(平日のみの配信)。そして頻繁にフォローアップのメールも届きます。始めのうちは毎日フォローアップのメールが来ていたように思います。
10日目に近づいてくると、講座への入会を誘うメールも来ました。私は元々講座に入会するつもりだったので、「あと何日」と楽しみにしていました。と同時に、講座に入ってついていけるかなぁという不安もありました。
毎回受信するメールには、質問などがあればこのメールに返信してくださいと書かれていました。私が返信メールを送ったかは覚えてないのですが、お問い合わせは別アドレスへという文面ではなかったのが、シンプルで好感が持てました。
ではさっそく、10日間の無料ミニコースの概要を紹介します。
1日目 声の通り道と声の出し方
まずは基本中の基本、そして最も大事な2点を学びました。それは声の通り道と声の出し方についてです。日本語と英語って、声の質が違うと思いませんか?私が発音を独学でやっていく中で、最も難しいと感じた部分です。
声の通り道については、英語を学ぶ人は息を溜めておく場所(肺と横隔膜)と、顔(舌、歯、口などの動き)のリンクがうまく行ってないという説明がありました。
そして、声の出し方によって母音の質が変わるということも知りました。たとえば[ʌ]と[ɑ]は、口の形や舌の位置だけをまねしても、アメリカ英語の音にはならず、それに加えて声の出し方が大事。声帯の緊張度の説明がわかりやすかったです。
声の出し方によって、同じ音でもどんなふうに音の質が変わるかも解説を聞き、体験・練習して理解を深めることができました。
2日目 強弱とイントネーション
ただ強く発音する、弱く発音するというだけではなく、アメリカ英語は強弱によって「音」が変わるという話しを聞きました。聞き比べをして、何度も練習をして理解できました。
また、イントネーションの付け方についての解説もありました。上がり下がりの位置だけではなくピッチ(pitch:次のイントネーションに行くまでの過程、または音階みたいなもの)が大事だと知りました。急に上げたり下げたりしないのがアメリカ英語のようです。これははじめて知ったことだったので、嬉しかったです。
3日目 子音の強弱と長さ
前回に引き続き、子音の強弱と長さについて学習しました。例としてDownloadとLoadの違いについて説明がありました。DownloadはDownを強く発音し、後に続くloadは弱く発音する。これに対して文章の中でLoadが強く発音される時、DownloadのloadとLoadを繰り返し発音してもらうことで、強弱をつけるとはどういうことかを理解できました。
英語学習者の多くがすべての語を強く発音する傾向にあるという話と、その音はアメリカ英語の発音とはかけ離れたものであることを学びました。
4日目 国際音声記号 (IPA) について
IPAとはInternational Phonetic Alphabetの略で、様々な言語の音声を表記するために作られたものです。4日目は英語の母音、二重母音、子音の音を学びました。動画で一つ一つの音を確認できるのでわかりやすいです。耳で聞くだけではなく、口の動きも見れる上に、口の中がどうなっているかまでの解説まであるので、とても勉強になります。
5日目 母音
母音の中で英語学習者が[ʌ]のところを[ɑ]というケースが多いと指摘がありました。その理由は顔の一部と舌が、充分にリラックスできていないからだそうです。[ɑ]と[ʌ]は学習者にとって聞き分けが難しい音ではありますが、口の開き方の違い、口の中の形の違いなどを分かりやすく解説しています。
理由を知ってから、[ɑ]と[ʌ]の音を自分で出してみると納得。一瞬で理解できました。
6日目 子音
子音の中で似た音、seatの[i]とsitの[ɪ]の違いを学びました。[i]と[ɪ]の音は微妙に違うのですが、カタカナにすると両方とも「イ」が一番近い音になるので、日本人には聞き分けが難しいのかもしれません。
[i]と[ɪ]の聞き取り、[ɪ]と[ɜ]の聞き取りテストもあって、楽しかったです。以下がRachel’s Englishのホームページにあるその動画です。聞き分け、試してみますか?https://rachelsenglish.com/comprehension-test-ih-vowel/
7日目 止める音
子音の中で止めて発音をする種類のものを学びました。具体的にはTとD、BとP、GとKです。「止める」って何?と思うかもしれませんが、止める動作は3つのパートに分けることができるという説明を聞くと納得です。
そしてそれがTの3つの発音の仕方の学習へとつながっていきます。まずはFlap-Tを学びます。Flap-Tとは例えばthought ofと言うとき、thoughtの後の方のtは[d]になります。これがFlap-T。アメリカ英語の特徴の一つですね。
8日目 Rの発音
日本人が苦手とするR[ɹ]の練習をしました。Rの音の出し方の説明を聞いて、目からウロコでした。日本人の英語を聞いていて、ときどき気になっていたRの音の原因がわかると同時に、Rの音の出し方を人にどうやって説明したら良いかがはっきりとわかりました。
RとWの音の違いについても学びました。全然違うのに?!と思う人は要注意。口の丸め方がとても似ているというか、ほとんど同じで舌の形だけが違うからです。
9日目 ‘content words’と‘function words’
content wordsとは内容語のことで、名詞、動詞、形容詞などを差します。通常、強く発音する語です。function wordsはcontent wordsを結ぶ語で、content wordsほど重要な意味を持ちません。通常は弱く発音されます。そして文中では短く弱く発音される語でもあります。実際にどのように短く弱く発音されているのかを動画で学習し、練習します。
10日目 イミテーションと練習
発音を学んでも、ナチュラルスピードの会話になるとまた違った音に変化したりすることがリスニングを難しく感じさせます。元の発音とは全然違うと思っても、きちんと分析するとどのような場合に音が抜け落ちるか、どのように音が変わるかというルールが見えてきます。ミニコースの最終日には、イミテーションと何度も練習することの重要さも学びます。
無料10日間ミニコースを終えて
Rachelが動画でレッスンしてくれるというスタイルは、形式的には自分で自由にYouTubeの動画を観るのと変わりはありません。実際、ミニコースの動画のほぼすべてがYouTubeにアップされているものです。
しかしYouTubeには英語の字幕がないものがほとんどなので、何を言っているのか聞き取れなかったらそれまでです。でもミニコースだと動画を見るときには必ず、Rachel’s Englishのホームページ内の該当箇所へメール内のリンクで飛ばしてくれます。
そのページにはYouTubeと同じ動画と、動画の下にはスクリプトがあります。もしも聞き取れない、聞いただけでは意味が今いちわかりづらいとか、メモしたいというときには助かります。
また、講座のメール以外にもいいタイミングでメールが送られてきて、がんばろうと思えました。リアルタイムに教えてもらっているわけではないけれど、勝手に私が一人で動画を見て学んでいるというのではなく、マラソンで例えるとRachelに伴走してもらっているような気持ちになれ、本当に「Rachelが私の先生」という意識が持てました。
そして彼女のあの分析力、私は大好きです。私もどちらかというと分析的に考える方なので、彼女の説明は深く納得のいくものばかりでした。
入会すると初めの1か月が5ドルに!
うれしいことに、正規の料金が毎月14ドルのところ、入会すると初めのひと月だけ5ドルになります。入会した日からひと月のカウントが始まります。
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0日間で忙しい日は2日分ぐらい溜めてしまうことが何度かあったので、10日間のコースが終わってすぐには申し込めませんでした。この記事を書いている時点でRachel’s English Academyに入会して2か月目に入っています。
また詳しい話は別記事に書くかもしれませんが、今のところ満足しています。これでひと月14ドルは安いなという感想です。
発音に関して、伸び悩みがある方でかつアメリカ英語を習得したい人は検討の価値ありです。
Rachel’s English Academyの受講生は色んな国籍の人がいます。日本人は多くはないけれどいます。アメリカ在住の人もいます。日本に住んでいる日本人だけど、生活の半分は英語という人や、英語の先生もいます。
Facebookのグループが素晴らしい
Rachel’s English Academyに入ると、任意で非公開のFacebookグループに入れます。グループへの参加希望のメールを送ったら、すぐに対応してもらえ、あまり待ち時間なくグループに入ることができます。
そこではいろんな国の受講生の方々との交流ができますし、受講生それぞれが様々な課題に取り組んでいる動画をアップし、みんながそれを見る事ができるし、コメントも自由に入れることができます。
そして発音の先生がフィードバックもしてくれるんですよ!しかも動画で!至れり尽くせりだな~と思います。Rachel’s English Academyには、Rachel以外に同じメソッドに精通した発音の先生が何人もいらっしゃいます。私も何回か動画をアップしましたが、先生からのフィードバック動画や、受講生からのあたたかいコメントをたくさんもらいました。
Facebookグループの存在のおかげで孤独は感じないし、モチベーションアップにもなっています。オンライン講座なので実際会ったことはないのだけれど、通学のクラスメートみたいな感覚になれるのが不思議です。
世界中の国の人々がとてもまじめに発音練習している動画や質問動画を投稿しているのを見るだけで、感動するとともに私もがんばろう!と励まされます。動画なんて、恥ずかしくて投稿できないと思っていたのですが、みんなの真面目に学んでいる姿をみると、恥ずかしがっている場合ではない!と思えてくるのです。
今はRachelは産休中なのですが、来年早々に復帰予定なので、ライブレッスンも再開するようです。とても楽しみです。