今日は、英語は日本語に訳して読むだけでは、十分に楽しめないということがよくわかる読後感想をお客様から頂戴しましたので、それをご紹介したいと思います。
このお客様は普段、自然の中よりは都会が好き。それも人ごみの中にいるとリラックスできる、という方です。人にはそれぞれ好みがありますし、本を読むにしても自分好みではない本は読まないし、好みではない描写が出てきたら、軽く読み流すことが多いと思うのです。
お客様の洋書読後感想 ~英語だから感じられたこと~
以下、お客様から送られてきた感想を転記します。
「自分でもなぜかわからないのですが、私は自然が苦手でごみごみした都会の方がリラックスできる、とにかく人が多いところを歩いているとリラックスできるというタイプなんです。ですから本を読んでいても自然描写のところに来ると飛ばすかさっと目を通すといった感じ。それが『Sarah,Plain and Tall』では英語だから飛ばし読みはもったいないと自然描写を読むことに。結構多いんですよね、自然描写が、この本では。
するといつのまにか様々な自然の光景を味わっている自分に気が付いたんです。日本語ではぴんとこなかったのに、英語では味わえたことが新鮮でした。」
日本語と英語の違いを楽しむ
英語を英語のまま読むと、そんなことがあるんですね。日本語ではあまりピンとこない内容でも、言語が変わると心に響くときがある。なぜなのでしょうか。私にもまだわかりません。でも私にも似たような経験があります。
言語の違いで感じ方が変わるという経験 結構あるのでは
皆様もたとえば、この本は原書(英語)で読むほうがよかったな・・・という経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。逆に、日本語のほうがいい!と感じられる表現もある。やはり言語が違うと、表現方法が違うということなのでしょうか。
しかしこのような違う言語で読んだ時の感じ方の違いをグダグダと文字を連ねて説明するよりも、実際読んで感じてみるほうがいいですね。こういうことこそ、言葉での説明は不要で、感じればいいことかなと思います。
言語(英、日)は全て対で存在するわけではないから面白い
ある英単語の意味を辞書で調べて、日本語の意味を知ったとしても、その言葉同士は全くイコールではないことが多々あるはずです。
例えば英和辞書なら、ある英単語にもっとも近い意味を持つ日本語を載せているのだと考えるといいと思います。だから辞書を見ても自分の日本語感覚で100%それを鵜呑みにするのではなく、一旦「なるほど」と頭に入れておき、後はたくさん英語を読みながら、その単語に出会った時に少しずつイメージを修正していけばいいと思います。
言葉は単に何かを伝えるための無機質な記号ではなく、文化や習慣、歴史などが背景にあるために、異なる言語同士が同じ形で完全に重なり合うということはないのですね。また、今回お客様が感じたような不思議な感覚は、日本語、英語という単に言語の違いだけではなく、物語のもつ力のせいでもあるでしょう。
いろんなことが相まって、とても不思議で面白い経験ができるのですね。私はまだ、日本語と英語しか読めませんが、多言語となると、またまた新たな発見があるのかもしれません。