どんなに英語が苦手でも、英語の本の多読は英語力を伸ばすのに有効だと私は考えています。なぜなら私が英語が全然ダメな人間だったからです。どんなに英語の勉強をしても、他の人のように伸びていけなかった私が、唯一継続できて英語力も伸びてきたのが英語の本の多読でした。
文法が大嫌い、辞書も大嫌い、暗記も大嫌い。そんな私でも10年以上、飽きもせずに毎日楽しく英語の絵本や児童書などを読みながら、ここまできました。2年前には英語の本まで出版しちゃいました。
「洋書」と聞くと、「無理無理無理!」と感じる方、「英語の絵本」と聞いても「無理無理無理!」と感じる方でも、これならどうですか?という英語の簡単な絵本をご紹介します。私はこれから紹介するような英語の絵本をたくさん読みました。
文字ゼロから1ページ数語の英語の絵本
文字(英語)がなかったら、さすがに読める、というか見ることができるでしょう。これでも一応、洋書ですよ。英語のタイトルがあるだけです。タイトルに沿ったイラストなので、イラストを見てタイトルの意味を理解するという仕掛けです。
STAGE 1 WORDLESS STORIES A PACK (Oxford Reading Tree)
Oxford Reading Treeのシリーズ、一番初めのレベルです。タイトルしか英語がなく、あとはイラストのみ。このステージなら、どんな英語レベルにあっても読めるはずです。文字なしは全部で12冊あります。
英語の学習者向けというのではなく、英語圏の英語を母国語とする子どもが読む絵本ですので、英語圏文化や習慣なども知ることができるのでおすすめです。イラストもとてもかわいくて細かいので、見ていて楽しいです。うちの子どもは赤ちゃんのときから大好きでした。
STAGE 1 FIRST WORDS PACK (Oxford Reading Tree)
Oxford Reading Treeのシリーズで、タイトル以外に始めて英語の文章が出てきます。はじめは1ページあたり1-2語のみ。このステージは全6冊です。
STAGE 1 FIRST WORDS PACK CD PACK (Oxford Reading Tree)
少しずつ語数が増えてきます。このステージも全6冊です。上のリンクはCD付きになります。ある程度英語が読める人には、簡単すぎると思います。でももしも手に取る機会があったら、簡単すぎるなんて言わないで、読んでみて欲しいです。全く日本語を介さないで読んで理解する練習にはいいかもしれません。
人気絵本作家もおすすめ
日本でも人気がある絵本作家さんの場合、図書館へ行くと、ほぼ確実に日本語版が置いています。先に紹介したOxford Reading Treeの日本語訳はありませんが、こちらならどうしてもわからないとき、図書館へ行って日本語版を参照すればよいですね!
日本語版を参照するときには、気をつけるべきことがあります。それは日本語版は「和訳」ではないということ。翻訳した言葉でも、きちんと作品になっていなくてはならないのですから、意訳される場合があるということも知っていなくてはなりません。
私は多読を始めた当初は日本語訳を参照することがなかったのですが、英語が読めるようになってから両方を見てみると、かなり印象が違っていることに気がつきました。日本語になってしまうと、もうそれは日本語の世界なのです。そのあたりのことを頭の片隅に置きながら、参照するとよいと思います。
始めのうちは英語・日本語を読み比べてもピンと来ないかもしれませんが、わかってくると読み比べて違いを見つけるのもまた、一つの楽しみとなります。では簡単な英語で面白く、幅広い年齢層に親しまれている絵本を、作家さんとともにいくつか紹介します。
Eric Carle エリック・カール
『The Very Hungry Caterpillar』(『はらぺこあおむし』)が有名ですが、それ以外でもたくさんの素敵な絵本があります。主に子どもが喜びますが、大人でも楽しめたいくつかの絵本を紹介します。
Papa, Please Get the Moon for Me パパ、お月さまとって!
『Papa, Please Get the Moon for Me』(『パパ、お月さまとって!』)は、ちょっとした仕掛けもあって、大人も思わず「おーっ!」と声をあげます。お父さんの子どもへの気持ちが伝わってくる、温かい物語です。
The Secret Birthday Message たんじょうびのふしぎなてがみ
『The Secret Birthday Message』(『たんじょうびのふしぎなてがみ』)。英語と日本語、まったく表紙が違っていますね。私は日本語を見たことがないので、中はオリジナルとどう違うかまではわかりません。
英語版は、男の子が不思議な図形の入った手紙を受け取るところから始まります。どうやら宝の地図ならぬプレゼントの地図らしいのです。この手紙を読み解き、プレゼントにたどり着くことができるのか。宝探しのような気分で、読みながらワクワクしてくる絵本です。
Eric Litwin / James Dean エリック・リトウィン、ジェームス・ディーン
イカしたロックンローラーのねこピート。今爆発的?人気のネコのピートシリーズ。この絵本の面白さは、ネコのピートのイラストそのものでもありますが、物語を歌いながら進められること、そして何より超ポジティブ姿勢のピーとに心打たれるってところでしょうか。
日本語版でも、日本語の歌が保育園児や小学生に人気。私も小学校で朝の読み聞かせに行くと、大ウケです。日本語で読み聞かせをしていますが、実は・・・私は英語でも歌えるのよ!と教えてあげたいほどでした(笑)
子どもに読んで聞かせてもよし、大人が読んでもクスっと笑えてジーンとくる。今私が注目している作家さんの一人です。
Pete the Cat I Love My White Shoes ねこのピート だいすきなしろいくつ
『Pete the Cat I Love My White Shoes』(『ねこのピート だいすきなしろいくつ』)。ピートはいつも前向き。真っ白な白いスニーカーを履いて歩いていると、とんだハプニング!それでも前に進み続けるピート。ピートの哲学は、シンプルな言葉で大人の心にも入ってきます。
You Tubeで音声が聞けるので、覚えて歌ってみると楽しいです!英語を口に出して言う練習にもいいですよ!練習というと、苦しいことというイメージがあるとしたら、この歌を歌って楽しみましょう♪
Pete the Cat and his Four Groovy Buttons ねこのピート だいすきなよっつのボタン
『Pete the Cat and his Four Groovy Buttons』(『ねこのピート だいすきなよっつのボタン』)。ピートのお気に入りのボタンがついたシャツ。それがなんと!一つ取れちゃった。ボタンが取れてもロックンローラーは歌い続ける、歩き続けるのさ。
最後にピートの教え。それは真理のど真ん中をついてくる言葉。子どもにもわかる言葉で語るピートは素晴らしいです。
Rod Campbell ロッド キャンベル
仕掛け絵本が素敵です。小さな子どもと一緒に読むと盛り上がって楽しいと思います。
Dear Zoo どうぶつえんのおじさんへ
『Dear Zoo』(『どうぶつえんのおじさんへ』)。男の子が動物を飼いたがっています。そこで男の子は動物園に動物を彼に送ってくれるよう、お手紙を書く事にしました。動物園が送ってきた動物にはちょっと問題があり、何度も送ってきては送り返しを繰り返します。箱の中に入った動物は何か、開ける前にヒントを読んで考えるのも楽しいです。
絵本を知れば、もっと好きになる
いくつかの絵本を紹介しましたが、まだまだたくさんあります。絵本は何でも簡単というわけではありません。古い英語だったり、高度な表現や難解な言葉を使った絵本も存在します。
図書館や書店へ行って、手に取った英語の絵本がたまたま難しかったとしても、それで無理だと思わないでください。また読んでみた英語の絵本が幼稚すぎて面白くなかったからといって、絵本は無理と思わないでください。
実は私は始めのころ、絵本は幼稚すぎて無理と思いつつ、我慢して読んでいました。けれどもそれは、絵本のことをあまり知らなかったからでした。探せば大人でも楽しめる絵本はたくさんあります。それに絵本の世界を理解し始めると、どんな絵本も楽しめるようにもなってきます。
「大人(自分なり)の絵本の楽しみ方」というものを少しずつ構築していくと、読める対象が一気に増えて、多読にも拍車がかかります!