図書館に新しく入った英語の絵本11冊中4冊を紹介

久しぶりに図書館で洋書絵本を借りました。英語絵本の会からの英語絵本のリクエストをしばらくしていなかったのでノーマークだったのですが、新刊コーナーを見てびっくり。新しく英語の絵本が11冊入っていました!

丁度忙しい時期だったのと、早く読まなくちゃと思っている読みかけの洋書が家に何冊かあるので、今興味のある4冊だけ借りて帰りました。いずれ全部読んでみたいと思います。読んだらブログ記事にしますね。今日は借りて帰った冊の洋書絵本の感想を書きます。

Swine Lake おいしそうなバレエ

Swine Lake

タイトルの「swine」とは豚とか嫌な奴という意味。この絵本では豚の意味として使われてます。年老いた小汚いオオカミがお腹を空かせて街を歩いていると、どこからか良いにおいが。たどり着いたのは劇場前。「Swine Lake」という看板。なんとオオカミの大好物である豚が列をなして劇場へ入って行く。これは行かねばなるまいと、お金持ちの豚からもらった(ひったくった)チケットを手に、一番良い席へつく。舞台に立つのもみんな豚。どの豚を食べてやろうか、品定めが始まる。ジューシーな香り。どの豚も美味しそう。第1幕が終わり、第2幕に入ると、オオカミの様子が変わってくる。オオカミに一体何が起こったのか?!

James Marshall作、 Maurice Sendakイラストです。二人ともすでにこの世から去った人です。センダックは私の大好きな絵本作家の一人です。始めはJames Marshallがイラストも描くことになっていたそうですが、急死されたため親友だったセンダックがイラストを担当したそうです。

YL3.6 総語数1,658語

日本語訳も出版されています。日本語訳も行橋市図書館にあるので、借りることができますよ!

おいしそうなバレエ

英語を先に読んでから日本語を読むと、逆の順で読むよりも印象が違って見えます。母国語がそれだけ幅広い範囲で言葉をとらえてそれをイメージ化しているからかもしれません。英語を読んでからだと、日本語を見た時に私が思っていた調子じゃないというか、特に「声」やトーンが違う気がして。

声やトーンなどという言葉を見てびっくりするかもしれませんが、本を読んでいると日本語でもそうですが登場人物のキャラクターが頭の中で出来上がるという人は私だけではないと思います。そのキャラクターの声や話し方もイメージができあがっちゃうのです。英語から日本語に訳すと、翻訳者によって意味は同じでも使う単語や言い回しが変わるので、自分のイメージと変わっちゃうのでしょうね。特に私は日本語に訳さずに読むので、日本語訳を読むときに初めて日本語ではこんな風に表現するのか!なんて思ったりすることが多々あります。

そういう楽しみ方もできるので、英語と日本語を両方読んでみるのもいいですね。どちらを先に読むかは好みによりますね。私は断然、英語を先に読む派です。

Sleep Like A Tiger おひめさまはねむりたくないけれど

Sleep Like A Tiger

夜が来ても眠りたくない女の子。両親はそんな女の子に優しく言います。眠らなくてもいいから、パジャマに着替えて歯磨きをしなさいと。そしてベッドに入らせて、動物たちの眠りの話を始めます。両親は女の子に言います。眠りたくないのなら、眠らなくていいんだよと。女の子はベッドの中で眠らずに、眠りにつく動物たちのことを考えます。イラストもストーリーも、かわいらしい絵本。

YL1.4 総語数473語

おひめさまはねむりたくないけれど

日本語訳が行橋市図書館にあります。私は何年か前に、こちらの日本語訳の絵本を子どもに読み聞かせした記憶があります。はっきり覚えていないのですが。子どもと読んだ本の読書記録をつけているので、探してみるとこのような私の文章を見つけました。
「まだまだ眠くないし眠りたくないお姫様。王様と女王様がお姫様をなんとかベッドの中に入るように仕向けます。」
あらま、あっさりした内容だこと(苦笑)2018年1月に日本語訳を読んでいました。日本語のタイトルには「おひめさま」とあります。英語はprincessにはなっていませんね。

そうなんです。これがなんというか、変なギャップの一つでもあるのかな。絵本を見ればわかると思いますが、一般家庭の女の子です。でも小さい女の子や男の子って、お姫様と王子様でしょう?絵本でも女の子は冠つけています。両親も。女の子がお姫様だったら、両親は王と王妃ですものね。私の中ではそういう理解なので、お姫様なのはわかるけどお城に住んでいるリアルお姫様ではないので「おひめさま」ではなく女の子なのです。英語の絵本には「Little girl」になっています。両親は王と王妃ではなく「Father, mother」です。

どっちも絵を見れば同じことなんですが、文字化するのか、それともわかってはいるけどあえて「おひめさま」と言わないのかの違いです。たったそれだけなのですが、英語の絵本を日本語に訳した時に感じるギャップの一つです。

Extra Yarn アナベルとふしぎなけいと

Extra Yarn

ある日、女の子が箱の中に入った毛糸を見つけます。その毛糸で自分のセーターを編みました。毛糸はまだ残っているので、自分の犬のセーターを編みました。犬と散歩していると、男の子とその子の犬が、セーターのことでいじわるなことを言ってきます。女の子はその子とその子の犬のセーターを編んであげます。男の子と犬の表情が良い!まだ毛糸は無くなりません。学校へ行くと、クラスの子たちも先生も、女の子のセーターのことで文句を言います。女の子はみんなのセーターを編んであげます。みんなの表情がまた良い!女の子は人や動物たちはもちろん、家や車にも編み始めます。そんなとき、一人の大公(たいこう)がやってきて大金を払うので、毛糸をくれないかと持ち掛けます。女の子はあっさり断りますが、大公はあきらめきれず、泥棒を雇って盗み出して国へ帰ってしまいました。その後のストーリーはさすがコルデコット賞を取るだけある、大人をうならせる内容でした。とても良かった!

YL1.5 総語数566語

アナベルとふしぎなけいと

日本語だとタイトルがこうなるんですね・・・。なんだかな~・・・(´・ω・`)
こちらも行橋市図書館にあります。私は日本語訳をまだ読んだことがないので、今度図書館で借りてみようと思います。予想では多分また印象ががらりと変わってしまう気がします。楽しみです^^

Whistle for Willie ピーターのくちぶえ

Whistle for Willie

Peterは口笛が吹きたいのに吹けません。口笛を吹いて、飼い犬のWillieを呼んでみたいと思っています。何度やっても音が出ない。家に帰ってお父さんの帽子をかぶって大人のフリをしてみたけど、やっぱり口笛が吹けません。外に出てWillieを探しに行くと、向こうからやってくるのが見えました。段ボールの箱に隠れて、Willieに口笛を吹けたら・・・自分を探し回るWillieが見てみたいとPeterは思うのでした。Peterは段ボールの中で何度も口笛を吹いてみます。何でもない日常の中に、少年の気持ちが丁寧に描かれているキーツの世界。

YL1.4 総語数379語

ピーターのくちぶえ

行橋市図書館に日本語訳があります。これも日本語から先に読んだ本でした。子どもへの読み聞かせで図書館で借りたのです。読書記録を見てみました。
「ピーターは外で男の子が犬に口笛をふいているのを見て、自分も飼い犬のウィリーにもふいてみたいと思います。けれども吹けども吹けども音がなりません。小さな男の子のごく普通の一日を切り取ったようなお話。」
2017年6月と2018年3月に読んでいました。この絵本は日本語と英語、あまり印象が変わらなかったように思います。多分セリフがほとんどなく、日常の風景を切り取ったような表現をしているからかもしれません。写真みたいな?逆に印象があまり変わらない絵本もあるという、1つの例ですね。

図書館に「面白い!読みたい!」と思える英語の絵本が増えますように

好みは人それぞれなので、様々な絵本があると良いと思います。英語絵本の会では、特にメンバーウケのよかった絵本やおはなし会で人気だった絵本を図書館に購入リクエストをしています。英語絵本のメンバーの英語力に幅があること、年齢層が広いこと、絵本を知り尽くしている人がいることもあり、私たちの選書もそこそこイケてるのではと自負しています。一人の選書ではなく、みんなが気に入った英語の絵本をリクエストしているというのも、フェアで良いと思っています。

それ以外に図書館で洋書の選書をして購入していただけることは、とても良いと思いました。これから図書館へ行くのが楽しみになります。今までは私たちがリクエストしない限り、ラダーシリーズなどは時々入っていたものの、英語の絵本はほとんど新刊コーナーで見かけませんでした。子どもから大人まで、英語を好きになるきっかけを作ってくれる英語絵本(洋書絵本)は、図書館にたくさんあるべきだと思います。特に小学校で英語が大事になってきている今は。

英語のリーダー的位置づけのラダーシリーズやOxford Bookworms、Penguin Readersなどは、どちらかと言えば英語の勉強のために手に取るという動機、きっかけがほとんどだと思います。それを否定はしませんが、それらの本を手にする人の大多数は英語を勉強しようという動機から入ると思います。

でも英語の勉強ではなく、楽しみが初めの動機であることが素敵だと個人的には思っています。だから図書館に英語の絵本をたくさん置いてほしいと思っています。絵本によっては合う合わないがあるので、できるだけ多種多様な絵本をそろえておくと良いと思います。

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